検索窓
今日:6 hit、昨日:100 hit、合計:37,880 hit

7 ページ7

高3の冬。


翔太は彼女がいても、わたしの部屋にしょっちゅう入り浸ってたし、朝でも夜でも構わず連絡は来た。


…まあ、わたしはさすがにもう、翔太の部屋に行くことは出来なかったけど。


正直、ちょっと女の子たちからの嫌がらせもあって。わたしは翔太と、学校や外ではなるべく関わらないようにしたかった。


それに気づいたのか、翔太は学校で話しかけてくることはなくなったけれど、そのかわりによく家に遊びに来るようになった。


…ほんと、人の気も知らないでさ。




バレンタイン。


今年は彼女がいるからか、本命チョコ一つだけらしい。


「今年はチョコ貰えないのかぁ」


渡「お前な、バレンタインなんだぞ。むしろあげる側だろうが」


まあねー、なんて適当に返事をしながら、わたしの部屋で2人、スマホをいじいじ。


…いや翔太。来る意味ある?


渡「なんか家静かじゃね?」


「お母さんもお父さんも出かけてる」


渡「ふぅん」


…会話、終了。


なんか気まずいな。なんて思ってると、あ、ってあることを思い出した。


「ちょっとまってて」


そう言い、リビングに向かう。


冷蔵庫から、ラッピングされた箱を取り出す。


…実は昨日、こっそり作ったんだよね。これ。


生チョコ。…翔太に、バレンタイン、として。


彼女いるし…渡すのもな、なんて思ってたらすっかり忘れてた。


…どうしよう、渡そうかな。


多分これが、最初で最後のバレンタインになりそうだし。


…いやでも、彼女いる人に渡すのもなんか変、だよね。


「…まあいいか」


あとで食べちゃお。


手に取ったそれを再び冷蔵庫へしまい、くるっと振り返る。と。


「っひっ!」


目の前に、気配を消した翔太が。


「っんな、あんたは忍者か…!」


翔太を見ると、目線はわたし、ではなく。


渡「…今しまったの、何?」


冷蔵庫を見つめる翔太。…まさか見られてた、?


「んえ、な、なんでもない、よ」


翔太はわたしをちらりと見て、ふぅん、とだけ。


そしてそのまままた、わたしの部屋に戻っていく。


…え、何しに来た?


…てか。何をそんなに気にしてるんだろ、わたし。


別に渡せばいいやん。幼馴染だもん。


バレンタインだから、とか。特別な意味を持たせるから渡せないんじゃん。


お父さんに作ったやつの余り〜とか言って渡せばいいやん。うんそうじゃん。


もう一度冷蔵庫からそれを取り出し、わたしの部屋にいる翔太の元へ向かった。

8→←6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (138 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1121人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , 渡辺翔太
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みらくる(プロフ) - ビー玉ころころさん» コメントありがとうございます!そして嬉しいお言葉まで😭書き溜めているのでまた一気更新するかも!笑 (4月19日 17時) (レス) id: c03ab64b2c (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉ころころ(プロフ) - 新作待ってました!とっても嬉しいです!みらくるさんのお話には、あたりしかないのでこの後の展開がどう転ぶのか楽しみです。にやけながら、楽しく読ませていただきます笑 (4月14日 19時) (レス) @page6 id: d17bac7dda (このIDを非表示/違反報告)
みらくる(プロフ) - Lucy-ruuさん» コメントありがとうございます!渡邊さーん!しょぴと幼馴染になれます👍🏻笑 (4月10日 20時) (レス) @page4 id: c03ab64b2c (このIDを非表示/違反報告)
Lucy-ruu(プロフ) - みらくるさんの新作待ってました!!それに渡邊さんがお話しにでてくるなんて嬉しすぎます(^^)苗字がまさに渡邊ですので…笑 これから楽しみです!頑張って下さーい( ^ω^ ) (4月8日 19時) (レス) @page1 id: fd92b233e8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みらくる | 作成日時:2024年4月8日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。