天界からの救世主30＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ9)

今日:217 hit、昨日:349 hit、合計:34,790 hit

選りすぐり、一応ページ9

零が読んでいる資料の内容というのは天界長が直々に入手した独自のモノ。
対象人物の潜伏場所やら戦い方などをローカル的な手法でかき集めて出来たもの。らしい。

資料に記載されている対象が見つかったのはつい最近。

だが、資料を見るとだいぶ前からOHPの組織に在籍していたようなのであることが分かった。

何故これまで見つかっていなかったのか。

いや、むしろ逆なのかもしれない。
今回、対象を目視、確認した人物が「A」だから、という理由が大きいのだろう。

前々から天界本部の一般部下が潜入に行っては無事帰ってこない比率が以上に高かった。

報告は本部に届いているし、作戦も実行済み。

だが、当の本人が生きて本部に帰ってこないことが多々あった。

当時は「最後の最後にへま(・・)でもしたのだろう」という認識が主流だったらしいが、それに疑問を持っていたのがA。

これだけ報告や作戦成功を成し遂げておいて帰ってこれないほどの半端な実力しか持ち合わせていない奴を天界本部に採用しはしないし、
そんな詰めが甘いような人材を送っているつもりでもない。

Aからすれば自分以外まだまだ;あまちゃん(・・・・)なところが多いものの、一応ここは天界の中で最高峰の権力と戦力、情報量を保持している天界本部(・・)だ。

曖昧な覚悟と決意では足を踏み出すどころか視線すらも向けられない様な高貴な場所。

一般部下とはいえ、一応どれもこれも、選りすぐりなのだ。一応。