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[渡辺 side]
宮舘「じゃ、俺は帰るよ」
「はーい。4月からもよろしくね〜」
宮舘「またね」
いつものファストフード店で涼太の事情聴取。Aが満足したのか開放された涼太が帰っていった。
(涼太の第2ボタンは前々から親しかった後輩に予約されていたらしい。特に恋愛感情はないと言っていた。)
「ついに涼太も彼女できたのかと思ったのに〜」
渡辺「残念だったな」
駅からの道を2人で歩く。
制服を着て歩くのは今日が最後か。
「春休みは仕事?」
渡辺「そう。稽古」
「そっかー私も仕事だ。忙しいから次会うときは大学の入学式?」
渡辺「そうなるな」
そんな話をしてたら家の前。
渡辺「寄ってく?」
「あーいいや。今日はお祝いしてくれるらしいし」
いつもみたいに俺の後を着いてこないからそう聞けば、自分の家に戻るというA。
「じゃあまた4月」
渡辺「待って!」
そう言って自宅に入ろうとするAの腕を掴んでとめる。
「どしたの?」
渡辺「これ」
握りしめた手を目の前に出すと首を傾げながらパーにした手を俺の手の下に出すA。
その手に第2ボタンを置くと、Aは驚いた顔をした。
「どうして…あげたんじゃ…?」
渡辺「取っといた…お前に渡したくて…」
「それって…」
渡辺「そういうこと」
「翔太…」
渡辺「俺、お前のこと昔から好きだから…」
恥ずかしさがマックスに達した俺はそれだけ言うとAの気持ちも聞かずに家の中に駆け込んだ。
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作者名:雪 | 作成日時:2024年4月6日 18時