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なんか変 ページ27

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目「ただいまー…って、珍し」

「おかえり。おはよう」



私を見て蓮くんがパチパチと不思議そうに瞬きするのも無理ない。
普段、私がこの時間に起きてることなんて殆ど無いんだから。

早番の時ですらギリギリまで寝て騒がしく家を飛び出して行く私は、早起き組(照さん、康二くん、ラウールくん、阿部ちゃん)とショートスリーパーなさっくんと、大体この時間に帰ってくる蓮くんにいつも呆れたように笑われるのだ。



目「え、しかも今日遅番じゃん」



ホワイトボードの一番下。
私の名前の磁石が増えた欄を見て蓮くんはもっと目を丸くした。



「今日さっくん遠足だから」



キッチンに入って来て背後から私の手元を見た蓮くんは「なるほどねー」ってニヤリと笑う。



「なかなか上出来でしょ?」

目「佐久間くん食べれないんじゃない?」

「えー?そう?」



いたずらっ子みたいにヒヒって笑った蓮くん。
今日も今日とて康二くんが用意してた軽食を嬉しそうに平らげている。



「でーきた」



ピンクのギンガムチェックのランチクロスでお弁当箱を包んで、お箸とか水筒と一緒にまとめて置いておく。



目「?自分のは?」

「無いよ?うちのクラスは給食出るから」



1つしかないお弁当を見てキョトンとしていた蓮くんは、お弁当と私の顔を見比べてフッて口角を上げた。



目「…彼女みたい」

「へ!?」



予想もしてなかった言葉につい大きな声が出た。



目「自分のついでじゃ無くて佐久間くんの為だけに作ったんでしょ?」

「それは…だって約束したし…」

目「佐久間くん喜ぶかなーって?
早起き苦手なのに早朝から凝ったお弁当作っちゃって。」



「可愛いよね。Aさんって。」なんて口にした目の前の男はどう見ても私を揶揄っている。

康二くんが起きてくる頃には洗い物も済ませて逃げるみたいに部屋に戻った蓮くんだったけど、康二くんが不安そうな顔をする前に「今日も美味しそうに食べてたよー」って告げ口してやった。
無いはずの尻尾を振り回す康二くんは、きっと後で蓮くんにひっつき虫をしにいくことだろう。

蓮くんが「なんで言うの?」って迷惑そうにする顔が浮かんだけど…変なこと言うからだもん。
なんとなく、さっくんと顔を合わせるのが気恥ずかしくてさっくんが起きてくる前に私も自分の部屋に逃げ込んだ。

勿論、二度寝しちゃっていつも通り家を飛び出す羽目になるんだけど。

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作者名:あむ | 作成日時:2024年4月5日 23時

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