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" Risata " ページ21

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向「お。先客や」



回していた洗濯機の様子を見に来るとあと10分で乾燥が終わるところ。
シェアハウスのお洒落なランドリールームにはぼんやり出来るベンチが置いてあるから、そこに座って携帯をいじりながら洗濯を待っていたら、康二くんがバスケットを抱えて顔を出した。
お隣の洗濯機に籠の中身をポイポイ放り込んでいる。



向「そういやこの前店来てくれてんてなぁ?」

「あ、そうなの
たまたま入ったお店が宮舘さんのお店でびっくりしちゃった」

向「ええやろ?あそこ」

「最初見た時カフェかと思ったよ」

向「舘のこだわりやねん
外からよお見えるから誤魔化しきかへんしなあ」



ストイックやで。ほんま。って誇らしげ。



「でもほんとに、料理も美味しそうだし雰囲気も良さげだなって思ったから予約してなかったのにダメ元で入っちゃったもん」



洗剤とか柔軟剤を入れて、ピッピッてコースを選択してる康二くんが嬉しそうに口角を上げた。



向「店の名前な、"Risata"っていうねん
イタリア語で"笑う"とかそういう意味やねんて」



舘、イタリアで修行しとったから。ってサラッと凄いことを言う。
それで…イタリアンが豊富だったのか。
粉もんが多かったのも、康二くんが居るからだね。



向「微笑むとか笑顔ーっていうよりかは大笑い!爆笑!って感じらしいで?
ああ見えてツボ浅いからな、舘は」



ふふんと威張るみたいな康二くんはきっと沢山宮舘さんを笑わせているんだろうな。
名前通りの、賑やかで明るいお店。
だけど品があって味も接客もピカイチ。
流石、2人の居るお店だ。



「またおいでって言って貰ったから…次は康二くんが居る時に行くね」

向「ほんまやで!
俺あの日カフェに缶詰やったんよ…」



なんでも、店長さんの勘違いで夜のシフトに穴が空いてしまったようで。急遽康二くんが代理で働くことになったらしい。立ち上げからラストまで。ロングもロング。
学生時代からアルバイトで働いていたらしくて、歴が長い分、店長さんの右腕ポジションなんだそう。



「頼りにされてるんだね」

向「有難いけど人使い荒いんよなー…
ボーナス弾んでやって言うといた!」

「ふふ 今度カフェにも遊びに行くね」

向「来て来て!
コーヒー1杯サービスしたる!」



「パンもつけたろ!」って言ってくれた康二くんは太っ腹だ。

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作者名:あむ | 作成日時:2024年4月5日 23時

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